Re: 玉響に東天紅

140字で書くつもりじゃないものを140字で書いちゃったやつをまとめ直すとこ

便利すぎる「萌え」

この前のボキャ貧の話をした時に話そうと思っててすっかり忘れてたことを。


「萌え」*1は便利な言葉だ。
こみあげてくる衝動や感情を、様々なニュアンスを包括して表現してくれる。
だけど幅広いニュアンスをカバーするということは
しばしば他の語彙を放棄させると思う。
なんでも「萌え」ですんじゃうのだ。


ちょっと前(だいぶ前かも)に女子高生が
なんでも「カワイイ」の一言で済ませてしまうという記事を読んだ。
ハゲオヤジも「カワイイ」し、赤ん坊も「カワイイ」し、麻生太郎だって「カワイイ」。
それがどうにも大人には理解できない、と
嘆いている記事だったようなそうでもなかったような。


確かにわかる。
なんでハゲオヤジと赤ん坊が同列に扱われるかと困惑する大人の気持ちも
ハゲオヤジにも赤ん坊にも、感じている感情のニュアンスは違うんだけど
とりあえず「カワイイ」で済ましてしまう女子高生の気持ちも。
「萌え」も同じように便利な言葉で
とりあえずキュンとしてその感情がわからなかったり
説明が面倒だったら「萌え」と言っておけば
だいたいの気持ちは萌えてる人同士なら共有できる。


だけども例えば同じ「萌え」でも、声に萌えているのか表情に萌えているのか
キャラクタに萌えているのかで、趣向は全く変わってくると思う。
最近色んな人が訪問してくれるので、一般的に共有できるキャラで例えるなら
電王のモモタロス*2の造型に萌えるのか
動きから伝わってくる表情に萌えるのか、
低くて頼もしい声に萌えるのか
仲間想いなのに素直になれない人物像(イマジン像?)に萌えるのか。
だから同じ"モモ萌え"同士でも意見が対立したりわかりあえないことってあると思う。


言葉ってそれを通して理解や考えを深める働きを持つ物だから
もっとつっこんでくことで
自分がその人、そのキャラクタのどこが好きでどこを愛でているかってわかる気がする。
それを「萌え」って言葉で終始させないで、
例えばツンデレになら「いじらしい」と言ってみるとか
ドジっ子になら「助けてあげたくなる」(もしくは「いじめてやりたくなる」?w)とか
もっと一般的な言葉を使ってみることで、「萌え」では共有できなかった感情を
一般人やその属性になかった人に伝えたり気づかせたりできるんじゃないかな。


広義化してしまった「萌え」をもう一回細分化して
今ある言葉に近いものを見つけて表現する。
案外難しいし、いちいちやってたらまどろっこしいけど、たまにはいいと思う。
じゃないと何故伊丹憲一が萌えるのかなんて
説明しなきゃ「理解不能」のレッテル貼られて終わりだし。笑
「萌え」の一歩先に行ければ、きっともっと好きになれると思うんだ。


ところで、男性の使う「萌え」と
女性の使う「萌え」はやっぱりニュアンスが違うのかねぇ。

*1:この場合は世間一般でネコミミや幼女にしか使われないと勘違いされている「萌え~」ではなく、オタクが心の叫びとして発する「萌え」

*2:個人的にはリュウタが大好きだけど、モモは男女問わず萌えられてるかそれに近い感情を持たれているみたいなので